独白するだけのゴリラになりたい。あと良質なホラーマンガ読みたい。
去年久しぶりに会う友人とご飯と食べに行くことになったのだが、予算5千円以内の店がいいと言われたので、では男三人でちょっと敷居の高いお店のランチでもいかがかと提案してみた。
結果、洒落た店に男性器をひっさげた生き物だけで行くわけにはいかない、というよくわからない返答をもらったため、安い居酒屋を探すことになった。
しかし学生ではないのだ。久しぶりに会う友人と汚い居酒屋で肩を寄せ合いお通しのキャベツをミドリガメの如く反芻するのは御免こうむりたい。
出会う場所の空気というのは、同席する人間との会話の内容にも少なからず影響を与えると思う。
古い友人と会うというのは、人それぞれの目的があるだろう。特に、過去を懐かしみたいというのであれば、それこそ学生時代に始発までの時間を稼がせてもらった居酒屋などでもいいのかもしれない。
だが考えてほしい。社会人同士がスケジュールを合わせて会うということの難しさを。
限りのある時間をアルバムの朗読だけに使うのはもったいないと思うことはないだろうか?
例えばあなたが恋人と1年以上良好な関係を保つことができたとして、デートプランのバラエティーのなさに焦りを感じたことはないだろうか?
このふたつの質問の意味することは、仲の良い相手と長く関係を続けたいのであれば、たまには普段行かないような店に行き、普段しないようなことをしようということである。
そうすることで、知人友人の普段見たことのない顔が見えるかもしれないし、自分の新しい顔に気付くことだってある。
高いランチをおすすめする理由を端的に挙げるとすれば、充足感が段違いだからということに尽きる。
適当に入った安そうな居酒屋で使う5千円と、一週間前から調べて予約したランチの5千円ではその有難みはまったく違うことを実感してもらえると思う。
その上、ランチだから食べ終わった後でもまだまだ時間はあるのだ。例えばランチの時間に友人からおすすめされた映画や本などを午後の時間に見ることができる。
それでも5千円のランチが高いという人は、5千円の居酒屋で飲んだ後に別の店にはしごする費用を計算してみてほしい。
ランチの場合ははしごということはなく、せいぜいカフェで珈琲一杯を飲むくらいだろう。
中には夜しかできない話があるという人もいるだろうが、久しぶりに会うというのに夜しかできない話が主題という関係はちょっとどうかと思う。
あくまで自分の感性から言わせてもらえばの話だが。
ところで、冒頭に出てきた男性器をひっさげているという理由から高いランチを拒否した友人とどこに行ったかという話になるが、コの字カウンターの焼き鳥屋に行った。
高い店というわけではなかったが、友人ふたりがガブガブと高い日本酒を飲んでくれたため、ひとり1万円以上払うことになった。
ちなみに自分は酒が弱いのでほとんど飲まなかった。
次は絶対にランチに行って、会計は別々にしようと思う。その時はやつの男性器を切り落としてやろう。